「毎月1GBまでならタダ(0円)で使える」という破格の料金設定で、格安SIMの中でも圧倒的な存在感を誇っていた楽天モバイル。
しかし2022年5月の決算発表会で、三木谷社長の「ぶっちゃけ、0円でずっと使われても困る」の爆弾発言とともに、新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」が発表されました。
新料金プランでは「1GBまで0円」の設定が廃止され、データ利用量をどれだけ節約しても毎月1,078円は必ずかかるようになりました。
今まで0円で利用できていたユーザーを中心に、大きな反発の声があがっていたことは記憶に新しいですよね。
この記事では大きな変化があったばかりの楽天モバイルについて、最新情報や実際のユーザーの声をもとにメリットとデメリットを紹介します。
- 本記事記載の金額はすべて税込表記です
シンプルなワンプランだから迷わない
楽天モバイルのメリット3選
「楽天モバイルは0円プランを廃止した!もう終わりだ!」という極端な口コミをネット上で見かける機会が増えましたが、もちろんそんなことはありません。
本章では楽天モバイルのメリットを3つ紹介します。
メリット①:3,278円で無制限に高速通信できる!
【利用者の声】
月額3,278円の格安料金で、データを無制限に使える格安SIMは貴重!特にWi-Fi環境がない人へおすすめです。
最小料金が値上がりしたことばかり取り上げられがちな楽天モバイルですが、3,278円と安価な料金で高速データ通信を無制限に利用できることを忘れてはいけません。
楽天モバイルと同様に、無制限プランを提供している大手キャリア3社と比較してみましょう。
キャリア名 | 無制限プラン月額 | テザリング無制限 |
楽天モバイル | 3,278円 | ◯ |
ドコモ | 7,315円 | ◯ |
au | 7,238円~ | ✕(30GB~80GB) |
ソフトバンク | 7,238円 | ✕(30GB) |
大手キャリアに比べると、半額以下の料金で無制限に通信できることがわかります。
「光回線やWi-Fi環境を整える代わりに大手キャリアの無制限プランを使っているから、格安SIMに乗り換えるのは……」という方も、楽天モバイルなら安心して利用できますよ。
テザリングも無制限で利用できるため、パソコンやタブレットも楽天モバイルだけで通信できてしまいます。
なお楽天モバイルでは、楽天回線とau回線を切り替えて使用できますが、無制限に通信できるのは楽天回線のみです。au回線は月に5GBまで。
多く通信したい方は、契約前に自宅や勤務先が楽天回線の対応エリアに含まれているか、こちらからチェックしてみてくださいね。
メリット②:楽天メールが便利!
【利用者の声】
格安SIMはキャリアメールがなくなってしまうことが不安でしたが、楽天モバイルなら楽天メールがあって安心!
格安SIMにはキャリアメールのサービスがないことが多いため、Gmailなどのフリーメールアドレスをメインアドレスとして使うことが一般的です。
しかし、金融関係などセキュリティ面がシビアなシーンでは、「フリーメールアドレスでの登録はNG、必ず携帯メールアドレスで」というケースがあって困ってしまうことがありますよね。
楽天モバイルは格安SIMでありながら、キャリアメールサービスを無料で使えます。楽メールという名称で、「@rakumail.jp」というドメインを利用できるため、フリーメールが使えない場合も安心です。
メリット③:楽天ポイントがたまる!使える!
【利用者の声】
楽天経済圏で生活しているので、貯まった楽天ポイントをスマホ代の支払いに使えてお得です!
楽天モバイルの利用料金100円(税抜)につき、楽天ポイントが1ポイントたまります。ポイント付与対象の利用明細は以下の通りです。
- Rakuten UN-LIMITプラン料金
- ユニバーサルサービス料
- 電話リレーサービス料
- 通話料(15分(標準)通話かけ放題、国際通話、国際通話かけ放題含む)
- 電話番号シェアサービス
- SMS送受信料
- マカフィー® モバイル セキュリティ Android版
- 楽天モバイルWiFi by エコネクト
- スマホ操作遠隔サポート
- あんしんコントロール by i-フィルター
- あんしん操作サポート
- スマホ交換保証プラス
- ノートン™ モバイル セキュリティ
- 持ち込みスマホあんしん保証
- 故障紛失保証 with AppleCare Services
- あんしん保証with AppleCare Services for Apple Watch
- データチャージ
- 楽メール持ち運び
そして楽天モバイルの支払いには、楽天ポイントが使えます。楽天ポイントは貯めやすいポイントとして大人気ですよね。
楽天ポイントは以下のサービスで貯められます。
- 楽天カード
- 楽天ペイ
- 楽天モバイル
- 楽天SEIYUネットスーパー
- 楽天リーベイツ
- 楽天トラベル
- 楽天GORA
- 楽天銀行
- 楽天証券
- 楽天ブックス
- Rakuten TV
- 楽天ふるさと納税
- 楽天Insight
- 楽天ウェブ検索
- 楽天スーパーポイントスクリーン
日々の生活の中で上記の楽天サービスを活用することで、無理なく貯めた楽天ポイントでスマホ料金を支払って実質0円で利用できている方も多くいます。
楽天グループのヘビーユーザーの方は、さらにお得にスマホを利用できるのがうれしいですね。
ただし、楽天ポイント支払いが選べるのは、楽天モバイルの料金をクレジットカード・デビットカードで支払っている場合のみです。
口座振替の方は対象外なので、ぜひクレジットカードやデビットカードを支払い方法に設定しましょう。
ポイント利用できる項目
支払い方法によって、ポイントを利用できる項目が異なります。
口座振替、代金引換ではポイントは利用できません。
支払い方法 | クレジットカード デビットカード | 口座振替 | 代金引換 | |
月額料金、各種手数料 ※1 | ◯ | ✕ | 代金引換利用不可 | |
製品代金 | 一括払い | ◯ | 口座振替利用不可 | ✕ |
24回払い | ✕ ※2 | ✕ | ||
48回払い | ✕ ※2 | ✕ |
※2 初回お支払いのみ可
参考:楽天ポイントの利用|network.mobile.rakuten
シンプルなワンプランだから迷わない
楽天モバイルのデメリット2選
ここまで楽天モバイルのメリットについて紹介してきましたが、もちろんデメリットもあります。
本章では楽天モバイルのデメリットを2つ紹介します。
デメリット①:大手キャリアに比べると通信・通話が不安定
【利用者の声】
以前利用していたドコモに比べて、楽天モバイルは通信や通話が不安定に感じます。
楽天モバイルは自社回線である楽天回線と、au回線の2種類の通信でサービスを提供しています。
無制限に高速データ通信が利用できるのは楽天回線のみですが、大手キャリアの通信品質と比較すると通信品質やエリアの広さについて不満を抱く方もいるようです。
楽天モバイルは新しい通信キャリアであるため、発展途上だといえるでしょう。楽天回線にどうしてもつながらない場合は、au回線を使うことでしのげます。
楽天回線の今後の拡充に期待したいですね。
デメリット②:ほとんど機能しないRakuten Link
【利用者の声】
Rakuten Linkを利用した通話なら無料になるのに、アプリが不安定で結局使えない。LINE通話のほうが安定しているので、相手がLINEを利用しているならLINEを使うほうが良いです!
楽天モバイルのサービスのひとつに、「Rakuten Link」という通話・メッセージアプリがあります。
スマホにもとから入っているデフォルトの通話アプリではなく、「Rakuten Link」をインストールして利用すると以下のメリットがあります。
- 日本国内の通話無料 ※一部特番を除く
- 特定の海外の国、一部地域から日本への発信も無料 ※一部特番を除く
- Rakuten Link同士のメッセージ無料
良いことづくめのように思えますが、このRakuten Linkに対して、利用者からは以下のような不満の声が上がっています。
- 通話に出る前や通話中に切れてしまう
- 途中で相手の声が聞こえなくなる、または自分の声が相手に伝わらない
- Wi-Fiをオフにして発信しないと、先方には「非通知発信」表示になってしまう
せっかくお得なサービスなのに、機能しないのは残念ですよね。
またRakuten Linkが使えなければ、もともとスマホに入っているデフォルトの通話アプリを使うことになり、その場合の通話は30秒につき22円かかってしまいます。
しかし、もともとの楽天回線の不安定さが原因なのか、デフォルトの通話アプリでも通話品質が低いという声もあります。
さらにWi-Fiの設定をオンにしていると、スマホ側で電話番号を通知する設定にしていても非通知扱いになってしまう点も不評でした。
もし相手がLINEユーザーなら、Wi-Fiに接続した状態でLINE通話を利用するほうが、快適に通話できます。
シンプルなワンプランだから迷わない
楽天モバイルの0円プラン廃止と新プラン
この記事の冒頭で紹介した、2022年7月の楽天モバイルのプラン改定について詳しく紹介します。
まず旧プランを見てみましょう。
データ使用量 | 月額料金 |
〜1GBまで | 0円 ※1 |
1GB〜3GBまで | 1,078円 |
3GB〜20GBまで | 2,178円 |
無制限 ※2 | 3,278円 |
データ使用量が月1GBまでに抑えられていれば、月額0円でキープすることができていました。1日のほとんどをWi-Fi環境で過ごしている方なら、月1GBで過ごすことは十分に可能ですね。
対して新プランは以下の通りです。
データ使用量 | 月額料金 |
0〜3GBまで | 1,078円 |
3GB〜20GBまで | 2,178円 |
無制限 ※1 | 3,278円 |
新プランでは「1GBまで0円」の設定がなくなり、3GBまで1,078円に統一されました。それ以上のデータ使用量について、料金の改定はありません。
そのため、今回のプラン改定の影響を大きく受けるのは、データ使用量が少ない利用者であることがわかります。
楽天経済圏を活用している方であれば、最安料金分の楽天ポイントを貯め、相殺することは難しくありませんが負担が増えるのは事実。
上記によって楽天モバイル以外の格安SIMへ乗り換えを検討している方に、おすすめの格安SIMを2サービス紹介します。
povo2.0

auのオンライン限定プランであるpovo2.0は、基本料金0円であることが特徴の格安SIMです。180日ごとに1回以上、有料トッピングの購入が必要ですが、それ以外の維持費は0円にできます。
「外出はほとんどせず、普段は自宅のWi-Fiでデータ通信をしている」という方にはぴったりです。
ちなみに最安値の有料トッピングは、smash(24時間パック)の220円です。
大手キャリアであり、楽天モバイルでも使用できる安定のau回線であることが魅力です。通信品質の改善も見込めますよ。
OCNモバイルONE

ドコモ回線を使用しているOCNモバイルONEには、月500MBで550円プランがあります。
楽天モバイルの旧プランでは0円になるのは1GBまでだったことを考えるとデータ使用量の面では半分になりますが、もともとデータ通信をあまりしない方なら問題ない場合も多いでしょう。
楽天モバイルの新プランを使用することに比べると、およそ半額で維持できる点が魅力的です。
またOCNモバイルONEはドコモ回線を使用していることもあり、利用者から好評を得ています。通信品質は信頼できると言えるでしょう。
ドコモ回線を使用!
まとめ
楽天モバイルはまだまだ発展途上のサービスであるため、これからもプランや規約、通信品質の変更が見込まれます。
今回のプラン改定によって小容量ユーザーには痛手でもあったかもしれませんが、大容量ユーザーには引き続きお得でメリットが大きいプランとなっています。
大手キャリアと同じように無制限でデータ通信したいけど費用を抑えたい方や、複数の楽天サービスを利用していて楽天ポイントをどんどん貯めたい方は、楽天モバイルの利用を検討してみてくださいね。